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生きるのをがんばりたい

なぜあなたの研究は進まないのか?を読んだ

去年存在を知って、ずっと読みたいなあ気になるなあと思っていた本をざっくり読んだ。

書籍詳細 - なぜあなたの研究は進まないのか? | メディカルレビュー社

最近は自分の関心だったり、大学院生にありがちな悩みに直面したこともあって、他にもこういう類の本たちをよく読んでいる。だいたい、ぼろぼろ泣きながら読んでいる。そういう年頃なのだと思う。

まず帯を読んで泣いた。「研究が進まないのは、君のせいではない。」と書いてあるところだ。僕はなんでも自分の責任にしがちなところがあって、一人で悩んでウワーってなるのが得意だ。(帯にはこれに続いて「こういう指導者に巡り合わなかったからです。」と書いてあるが、先生たちは「相談しなさい」と言っているし、実際に相談に乗ってくれる。) 自分に問題があるにしても、しんどい時に(本の帯だけど)君のせいではない、と言われているのは少し安心する。そして、冷静になって少し前向きに「悪いところは素直になおそう」と思った。とりあえず安心しておくのは大事だし、前向きになれるのでおすすめです。

帯を読んだだけでぼろぼろ泣いてアホなんじゃないかと思ったけど、そういう年頃なのだと思うことにした。

本の内容に入ります。

本は「やってしまいがちな落とし穴」を疑問形式でまとめ、それに対する解決策を述べている。なるほど読みやすいし実践しやすいな、と思った。解決策の部分には「なぜ、よくないのか」が丁寧に書かれており、筆者のアドバイスはどれも腑に落ちた。本には研究室の先生に言われたのと同様の指導的メッセージも書かれていたが、こういった形で頭に入るとまた違った印象を受けるものだな、と思った。生意気である。人の話はもう少し肯定的にも考察しよう、と反省した。特に、叱られたとき。今後の成長にご期待ください。

本は疑問形式でまとめられているため、自分が今困っていることを見つけやすい。僕がこれだ、と思ったのは、次の問だ。

殻に閉じこもっていないか? *1

先生たちに「定期的に私たちに話をすること」と注意されたばかりだったし、定期的に報告をすることや他の人に話をすることに、半分くらいもやもやしていたためだ。 「だいたい相談したところですぐに解決したら苦労しないからこうやって一人で頭を抱えているんだ」と思いながら読んだ。 読み進めて、心打たれた。

相談したからといってすぐに解決するほど簡単ではないことが多く、だから相談しても無駄だと思ってしまうでしょう。 *2

エスパーかよ、と思った。当然、この後に、しかし〜と理由が続く。前述した通り、「なぜ、よくないのか」が丁寧に書かれており、僕のもやもやは晴れた。そして、自分があまりにも、人に話すことや人の話に耳を傾けることを軽んじていたことを理解した。自分が大きな落とし穴の中にいることを、ようやく理解できてうれしかった。

他の問と解決策も、ウッっとなって、なるほど〜となるものばかりだった。問は目次になっており、先に挙げたメディカルレビュー社の書籍紹介ページに載っている。問を見て心当たりのある人は、これを読んで生き抜いてほしい。

研究は楽しいしそれなりにやっていたと思うけど、どうしてこんなにもできないのか、自分の出来が悪いのだろう、と思ってずっと悲しかった。 本を読んで、少し元気になった。これで研究が進めば言うことはない。生き抜こう。

ちなみにこの記事も、ぼろぼろ泣きながら書いている。そういう年頃なのだと思ってほしい。

*1: 佐藤雅昭:なぜあなたの研究は進まないのか?, p.64(2017)

*2: 同上, p.65